2010年12月06日

第5回[拡大]勉強会講演:鈴木祥之教授<5>

■伝統構法木造建築物の新しい耐震設計法に向けて
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今までのものは、現実的な問題に対しての提案ですが、これから、研究者といいますか学術研究的なものも含めて今後の耐震設計法を構築するにあたってということで少しお話したいと思います。

先ず最初に伝統構法は、伝統構法なりの構造特性を特っていますので構造計画、特に耐震計画に対して基本的なところをきちっと押さえていくことが非常に重要なのです。

建物の立体的、水平的バランスを考えた構造計画のもとに耐震設計の基本的なところを押さえた設計法を作っていく必要があると思います。

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次に、構造ディテールの設計法ですね。例えば、RC造とか鉄骨造では、構造解析のもとに構造ディテールを決めていきます。

木造の場合には、仕口仕様が先にあって、それをもとに建物全体を設計します。だから、この仕口にこれだけの性能が必要ということで仕口仕様を決めているのではないわけです。

今後そういうものも実験、解析によって設計式が提案できれば、仕口仕様を設計の条件に合わせて決められるのではないかということです。

第3番目に、伝統構法に対して、私どもはいつもねばり強さというふうな表現をしますけれど、大きな変形性能を持っていることは事実なんです。この伝統構法の良さをうまく活かす設計法にしていただければということです。それに関しては我々研究者サイドが研究を進める必要があると思います。

伝統構法に関しては構造力学的にいくつかの課題を残しています。先はどの滑りの問題もまだこれからです。

それから、水平横面の変形の問題。特に床構面に関しては、剛な物にすれば構面間の力の伝達が可能ですよといいます。

だけど、床構面は本来は鉛直荷重といいますか、人が歩いたり、あるいは積載荷重が載ったりとかに対する安全性のほうが先なんですね。特に、水平的な力の伝達機能を求める必要があるのかということですね。

実験をしますと剛でも柔でもなくって、中間的なところが一番軸組みに関しては穏やかといいますか、仕口の接合邦を損傷させないことも分かります。

水平構面が柔あるいは半剛であれば、水平構面の変形を考えると振動系が構築され、エネルギーの吸収も起こることになりますので、地震応答解析等で検証できればと思っています。

最後に、伝統構法に関して、各部の構造安全性の検証方法を含めて、合理的な耐震設計法が提案できればと思っております。

ご静聴ありがとうございました。

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posted by これ木連 at 06:22 | Comment(0) | 第5回勉強会(鈴木祥之氏)報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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